JINの平和演習ノート

世界平和のこと、政治のこと、経済のこと、何か少しでも世の役に立ちたくて綴ります。翻訳者を目指していますので、ニュースの翻訳も交えます。

感謝祭と商業主義

いまやクリスマス商戦まっただ中となっていますが、少し前に米国の習慣である感謝祭(Thanksgiving)に思う雑感記事を見つけていましたので以下に翻訳掲載します。感謝祭は、アメリカに上陸した清教徒たちが厳しい冬を迎えるにあたって先住民たちの援助を受けたことを感謝して始まったと言われています。

【2005年11月23日付けAlterNet記事】

感謝祭と飽くなき消費
(Thanksgiving and More Taking)
By Norman Solomon


感謝祭の季節が来ると、メディアに踊る文字もありきたりなものになる。七面鳥や、貧しい人のためのフード・ドライブ(助け合い運動)についての特集記事が載る。有名な人、名も知れぬ人々がどれほど感謝の気持ちでいっぱいかを耳にする。そしてもちろん、テレビやラジオ、チラシを通じて休日は広告でいっぱいだ。

感謝祭でわたしたちがとる行動と同じように、各メディアが繰り返すメッセージもそれぞれに矛盾している。基本的な質問に対する答えもピンからキリまである。自分より不幸な人々を援助する額に比べ、祝日のディナーにお金と時間をいくらかけるべきか? 本当に今、自分は恵まれていることに感謝すべき時か? あるいは、最新の製品やサービスを買ったらどれほど満足よという広告に負けるべき時か?

見かけとは裏腹に、有名メディアのいくつかはこの時期に本来の感謝祭と食い違ったことをする。慈愛の心、精神的なつながりをうたっているはずの祝日が、まったく反対方向の努力とか支出とかいったことで語られる。メディアの声が反響する部屋では、壁紙の大部分はお金の色だ。

控えめな言い方で言えば、感謝しようという気持ちが、『感謝祭』という名の商業主義的メディア現象と衝突するのは避けられないということだ。感謝することの真の意味を探求するということは、立ち止まって幸運についてよく考える---少しでも謙虚な気持ち、これまでの人生に感謝する気持ちになって、幸運について思案するということだ。だが、メディアが効果たっぷりにキューを出している内容は、ディナーで消費するごちそうの重要性と、休日の買い物シーズン到来の誇大広告だ。

実際問題メディアの世界では、11月末というのはレジがチーンと鳴りまくる(デジタル時代にはチーンとは鳴らないが)季節なのである。感謝祭は潜在的には反省する日であると真剣に考える人ならば、コンセプトの見えない大量のメディアコンテンツを断ち切ろうとするだろう。

宗教、人間主義のどちらの領域においても『感謝の気持ちを示す』深いところの姿勢というのは、この時期にマスメディアが期待するようになったものとはほど遠い。真の感謝祭とは、多くの人々は少なくとも本当に必要なものは手に入れている---地球上の多くの人々の生活を考えれば、まったく運がいいにすぎないってことに気づくことだ。対照的に、数多くのメディアがわたしたちに足りないものがあるとメッセージを送ってくる---そしてすぐにお金を出しさえすれば、手に入るのだと。

テレビコマーシャルは私たちに常々語りかけてくる。今持っているものに満足すべきではない---あるいは、満足してはならないと。そして広告はお金を使って状況を解決するあらゆる方法を見せてくる。その意味で数多くのメディアは、すでに持っている物をお粗末物だから片づけなさいと、感謝する気持ちを火消しし続けている。

感謝祭の時期、報道各社が皆のためになにかを提供することは至って簡単だ。私たちは、ちょっとした感傷とともに、ニュース記事に載った誠実な心の事例に注目することを選んでもよいのだ。人情記事やレシピ記事は山のようにあるし、七面鳥が断頭台の露と消えたとか断頭台から逃れられたとかという恒例の記事もある。だがいずれにしても、楔で打ち込まれた商業主義が感謝祭という休日の強力な底流をなしてしまっていることに変わりはない。

その一方、雨あられのような感謝祭広告の中に、本来の感謝祭にふれる内容は極めて少ない。私たちが教わってきた話によれば、新大陸にやってきた移民たちは経験豊かなインディアンから食料をもらい、また冬支度の知識を教わってその助けに感謝したという。言い換えれば、何世紀も前に北アメリカ大陸に到達したヨーロッパ人がどれほど感謝して原住民から物を受け取ったか、という説話としてこの話はほとんどかえりみられていない。そしてその後大量虐殺に発展するほどの熱狂をもって進軍したことも。

今日、テーブルにたくさんの食事が並ぶ人もいれば、ほとんどない人もいる。今、感謝祭という言葉について正しく理解するべき時だ。ただ、それと同時に、ほとんどのメディアが私たちをせかす。モノを買いましょう---そして、忘れましょうと。

Norman Solomon is the author of the new book, "War Made Easy: How Presidents And Pundits Keep Spinning Us To Death".

テーマ:雑記 - ジャンル:政治・経済

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コメント

感謝祭というのは、本来そういう意味があったのか、、知りませんでした。
自分たちの暮らしてきた土地に突如現れた異郷の人々、それに対してその土地で冬を乗り切るための知恵と食料を分け与えるということは、とても懐の深い人々でなければできないことですね。
 また、当時の人々はその温情に対して深く感謝を示した。
ここまでは異文化の交流としては最もいい形の交流といえる気がします。
このときの気持ちがしっかりと残っていれば、その後の進軍も大量殺戮もなかったはず。
靖国問題ではありませんが、米国では現在のアメリカ人が言うところの建国の経緯はどのように教科書に載っているのか興味がありますね。

  • 2005/12/13(火) 23:04:41 |
  • URL |
  • 駆出しの百姓 #-
  • [編集]

駆け出しの百姓さんコメントありがとう〜
アメリカは日本よりはるかに人種のるつぼなので、異文化交流ということにかけてはほんとに先進国ですよね。逆に、もっとも未熟な部分をも内包しているようですが…
『教科書問題』はアメリカでもけっこう深刻で、とくに歴史と生物の2冊の教科書で一部の州政府と学会がしばしば対立しているようですよ。

  • 2005/12/14(水) 15:17:28 |
  • URL |
  • JIN #-
  • [編集]

あ、生物の教科書の件はラジオで聞きました!人類の起源を神によるものという意見も記載するってやつですね。

さすがに、生物の教科書でのせるのは、、、、どうかなあ、、、、

  • 2005/12/15(木) 22:36:49 |
  • URL |
  • 駆出しの百姓 #-
  • [編集]

さすがに教科書はまずいですよね。「人類は神が作った」と教科書とは別の場所で教えることは大いに構わないと思っています。学校と教会で違うことを言われて、子供たちは自分なりに悩んで、それぞれに違った大人になっていくのかな、と思うからです。自分たちのなかで科学と宗教の折り合いをつけていくのです。
学校で「神起源説」を加えようとするのには宗教右派の政治的な動きがもとになっています。政治的な立場がまだはっきりしていない子供たちに学校教育の現場で政治の風にさらすのはどうかと思います。そういうことは教会でやったらいいんですが…。アメリカは多民族はおろか多宗教国家でもあるんですからねえ〜。

  • 2005/12/26(月) 12:42:00 |
  • URL |
  • JIN #-
  • [編集]

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